シトロエン DS クラッシックカー ディーラーズ

シトロエンDS

マイクは、フランスはリヨンから距離にして、80キロほどのところに住んでいる、シトロエンDSのオーナーに商談のため、車で向かっている。フランスの緑豊かな田園風景を抜けて、オーナーのところに辿り着く。

車は、明るい感じのブルーで、とても綺麗だ。塗装の状態も良さそう。一目見て、マイクは、今回の車を気に入って、とても喜んでいる。そして、その感情をボディラングエージで体現している。

オーナーは、まだ若そうに見えた。20代から30代くらいに見えたが、欧米人は日本人と違い、20代でも大人びて見えるので、見た目で判別するのは容易ではない。

マイクは、ほとんどフランス語が話せず、売り手側のフランス人も、英語はほとんど話せない様子。イギリスとフランスは、近いところでは、ドーバー海峡を隔てた距離しかないほど近い隣国同士だが、両国とも自国の文化、言葉には非常に高いプライドを持つ、お国柄である。

確かに、日本と韓国も海を隔てているものの、近隣の国同士ではある。しかし、そうではあっても、多くの日本人が韓国語を自由に操れるわけではないし、その逆もまた然りである。

マイクは、車両の状態を、手振り身振りで、オーナーに確認し、テストドライブの許可を取り付け、シトロエン、
(昔のウルトラ警備隊の車両に似ている)を田舎道で走らせていく。油圧で制御された独特なサスペンションが織りなす走行性は、マイクを笑顔にする。マイクは、とても、このDSを気に入り、購入交渉をすることを決断するのであった。

私の目から見ても、この車両は、とても魅力的である。日本車には無い、独特のデザイン、フォルムはとても良い。ひと昔の車ではあるが、それを超えた、人を惹きつけるものを感じる。

25年前に海外でホームステイしていたときに知り合った、年上の男性に知人は都内で自営の仕事をしている人であったが、その当時では珍しい、シトロエンのワゴンに乗っていた。オシャレなデザインで、いかにもフランス車という雰囲気が漂い、女性受けが良ささうだった。その車で、女性2人と私も乗り込み、スキーに行った。場所は、新潟県の苗場スキー場。

人の良さそうな感じではあるが、マイクは、購入後の売却価格を念頭に、修理費用を勘案して、オーナーとの購入価格交渉を3000ポンドを提示することから始めたが、
フランス人のオーナーは、まったく応じる気配がなく、交渉の行方にやや難しさが感じられる。それもそのはず。
イギリスでこの状態の車を買えば、価格は5000ポンドくらいにはなるからだ。それに近い相場観をオーナーは持っていたに違い無い。

しかし、オーナーも売りに出しているのには、現金を必要とする理由、または、マイクには話していない、隠れた車両の不調に嫌気がさして、売却を望んでいることもあり得るわけで、マイクとしては、それらの可能性を考慮しつつ、買い付け価格の交渉を慎重に進めていった。

そして、3800ポンドでオーナーは了承し、売買が成立するのであった。

マイクは、シトロエンにそのまま乗り込み、フランス国内を自ら運転して、ドーバー海峡に向かった。その道中の景色を見ていると、とても美しかった。あんな道をドライブ出来たら幸せだなと私は思った。いつの日か、フランスの素敵な車で、素敵な女性と楽しくドライブを楽しんでみたい。おいしいワインや、食べ物を堪能しながら。

Citroen DS

そうして、マイクは、メカニックのエドがいるガレージにその車を持ち込んだ。

マイクは、英国に戻る途中に、車を停車したとき、オイル漏れが発生していることに気づき、エドに点検してくれるよう頼んだ。

早速、点検をすると、サスペンションがオイル漏れを起こしている可能性があり、その箇所を見てみると、サスペンションのパーツがダメになっていたので、中古品に交換した。レギュレーターとアキュムレーターの交換。交換後は、エンジンをまわし、異音が無いかをチェックし、異常が無いかを確認した。

エンジンオイルと、オイルクリーナーも交換し、部分合成オイルを注入した。

更に、点火プラグとプラグコードを新品に交換。

エアクリーナーには洗浄を施す。

フランスから輸入した車ということもあり、イギリス国内で走行、売却するためには、英国の車検に合格する必要性があるので、ボディの状況を確認。ボディが錆び等で車体の剛性に問題がある場合、車検を通過出来ないからである。

車体の剛性に影響を与えるような致命的な錆びなどのダメージを調べるためには、このシトロエンDS
の場合、ネジ止めされているリアフェンダーを外せば、簡単に車両本体のボディ状況を確認できる。マイクは、この点検の仕方を知らなかったので、ボディが重大なダメージを受けている可能性もあったが、幸いにもエドがフェンダーを外した限りにおいて、其の様な損傷は見当たらなかった。

次は内装に取り掛かる。シートに破れがあったので、マイクがシトロエンの専門業者から、車体カラーと同じ、ブルーのシートカバーを調達した。それをエドが、まずは、カバーを交換しやすいように、シートを車体から外し、
カバーを付け替え、以前のものとは見違えるような内装に変身を遂げた。

また、フランスは道路を通行する際、右側通行のため、ヘッドライトの光軸がそれに対応したものになっているため、英国が日本同様の左側通行になっていることに合わせ、ライトの交換を行う。

最後に、錆びたドアミラーを交換し、エドの修理は完了した。

ついに、シトロエンDSを車検場に持ち込み、点検を受けた。ボディの状態、溶接、ライト、フットブレーキ、サイドブレーキ、そして、排気ガスのチェックだ。無事、問題無く車検を合格し、エドは、ほっとした。

今回、3800ポンドで購入した車両本体と修理費用(エドの修理工賃は、いつもの通り、入っていない)を合わせ、合計で5200ポンドかかったが、7250ポンドの売値をつけ、最終的には、7000ポンド
で売却した。



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