前回、”その2”では、息子の中学1年の1学期での成績が下がり、塾の勉強にも身が入らず、その状況と相前後して、息子の表情が無表情になっていき、朝登校するときの何とも言えない表情と雰囲気にある日気がついたところまでの話だった。
1学期にそのあと、息子に学校のことを聞き質したところ、ぽつぼつと自分が学校で、いやがらせを受けていることを話だした。その相手(Hとする)は、小学校のときからのクラスメートだった。
小学校のときは、息子がHの宿題の面倒を、ラインのテレビ電話でしていたほど、仲が良かった。
それが、中学に入り、また同じクラスになったが、変化が起きた。
小学校のときのリーダー格の子が、中学に入り、部活に集中するようになり、クラスのリーダーとしての役割を果たさなくなったようで、そのあとの、リーダーシップを、Hが取って代わるようになったのだ。
そして、よくあるように、Hは、自分のまわりのクラスメートを自分側に引き入れ、息子がクラスで孤立するように、他のクラスメートに圧力をかけたとのことだった。
教師の居ないのを見計らって、椅子や机をぶつけたり、クラスメートの前でからかって、嘲笑を浴びせられるようなことをされたとのことであった。
基本的に、私のスタンスとしては、子供同士のトラブルは、当人同士で話し合いや、話がつかなければ、怪我をしない程度に、取っ組み合いで解決すれば良いとのものであったが、Hは1対1ではなく、まわりを巻き込んで、息子が孤立するような、卑劣な行動を取っていたので、親としては、息子が精神的な限界に追いやられる前に、干渉せざるを得なかった。
まさか、夢にも、自分の息子がいじめの対象になるとは思ってもみなかった。
確かに、自分の息子は、体が大きいわけでも、空手や柔道、合気道などの武術を体得しているわけではないが、小学校のときには、売られた喧嘩には応じていたようで、詳細は分からないが、少なくとも泣かされるような喧嘩は無かったし、Hが小学校のときにちょっかいかけてきた時には、返り討ちにしてやったと言っていたくらいだった。
そんな息子のスタンスも中学に入る頃を境に変わったようで、暴力を振るったりする相手に仕返しをすることは、自分を卑劣な暴力振るう相手と同じ者に貶めることになると、それを潔しとしないと考えが変わったと、私に説明してくれた。
そのため、Hは、Hの暴力に無抵抗な息子にいやがらせをエスカレートさせることになったのだと、私は推察している。
息子のクラス担当に相談したところ、そのようなことがあったとの認識は無かったと釈明したことは、私の想定内の反応だった。その無責任さ加減に内心苛立ちを感じながら、感情任せにはせず、息子のために言葉を選んで、話を進めることにした。
この続きは、次の機会にしていきたい。
そして、息子は、2学期に入り、しばらくして不登校になった。